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2009年11月

第46話『ふたりの絆』

 崩れゆく国、結び接ぐふたり。

 キリクによって傷を負ったイアル。原作では馬に乗って永遠とも思える30分の逃走の後に・・・・・・ということだったのですが、アニメでは馬どころではなくそれこそ足を引きずりながらの逃走(いや、走れなかったわけではあるんですけどね。)の後、エリンが籠もっているラザルの王獣舎で倒れてしまいました。そんな気配をリランたちが察し、その様子で異常を察したエリンがイアルを王獣舎の中へと運び込んでいきました。

 一方のキリク、イアルの『蜂の一刺し』でボロボロないた後、我に返ってイアルを探していました。・・・・・・といっても、イアルの逃げ込むアテなんぞとっくのお見通しだったわけで、これまたラザルまでひとっ走り。

 それでやっていることがナソンと同じとは!!

 一通りイアルの刀傷を縫合したエリン。始めのうちはイアルに対してむき出しの警戒心を見せていたリラン達も、そこは高度な知能を有している王獣です。エリンの心を読み取って、警戒心を解いてしまいました。

 イアルとエリンが、ハルミヤの襲撃後以来、ゆっくりと、しかも年頃のふたりが一晩中をすごしたわけですね。、まぁ、NHK教育ですからその一晩の間に何があったかなんて野暮ったいことはその辺はおいておくとしましょう。肩に寄り添って眠りにつくなんて、信頼できる異性じゃないとまずもって無理なんですから。そんなシーンがなくとも、十分に二人の間に恋愛感情が仄かに灯されたのは確かなのですから。

 で、一夜が明け、イアルを追ってきたダミヤ達がエリンのところへやって探し回ります。が、いくら探してもイアルの血痕だけしか見当たりません。諦めたダミヤたちは他へと行ってしまうのですが、イアルは実にとんでもないところに隠されていました。

 リランの下!!!!

 いやぁ、「モフモフ」してたろうなぁ。

 (反面、獣臭いわけなんですけど。)

 そしてふたりはリョザが今直面している滅びの危機を再認識し、エリンはセィミヤに直談判をしようと決意しました。このことが、この後のリョザ神王国にどんな未来をもたらすのでしょうか(まだ原作をあえて読んでいない人向け)。

 さて、今回の見せ所ですが、何といってもイアルとエリンの涙でしょう。互いを思う心が響きあい、ひとつの絆を紡ぎだしたのです。セィミヤの涙とはまた異質のものです。エリンとイアル、ふたりの涙がお互いの心を動かし、物語は更に大きく動くことになっていくのです。

 【今回の『次回予告』】

 流れから言って当然の帰結とも言うべき、セィミヤの出番でした。そんなこんなでエリンがとんでもない方法でセィミヤへ直談判をしに行きます。

 それも、とんでもない場所で。

 真王と獣ノ医術師、そんな肩書きがなければ同年代の女の子同士の、只ならぬガールズトークはセィミヤの心を動かせることができるのか?

 ではまた。

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第45話『かごの鳥』

 かごの中の鳥たちは、夜明けの晩に何をみたのか?

 院政を敷いて傀儡政権を構築し、実権を握って国を意のままに操ろうという欲望を、実はダミヤがずーっと抱き続けていたことがハッキリとした回でした。

 この部分、原作ではかなり文章を端折っていたシーンだったのですが、キリクとカイルをうまく立ち振るませて実権を握りつつあるダミヤとその真実を突き詰めたイアルが追い詰められるさまを、アニメでしかできない演出で魅せたものだと思います。

 ついでにオリジナルキャラであるキリクの生い立ちもハッキリしました。元々真王領民の貴族の出身で、両親の不幸によって大公領民の商家へ養子として引き取られ、そこで散々虐げられていたというわけですか。そりゃあ、ダミヤの口車に乗せられても仕方がないでしょう。

 ですが、そんなキリクもひたすらに毅然としたエリンの態度と潔さに揺れてきていたようで、とうとうイアルにとどめの一撃を食らわされてしまいました。

 「お前がエリンをかごの中へ追い込んだ」

 いやぁ、イアルも的確な殺し文句をかましたものです。さすがのキリクも、これには反論すらできず、一人嗚咽するばかりです。

 ところで、これまた原作との比較なんですが、ダミヤとイアルのやりとりの冒頭で、原作ではハラクという香料入りの茶をダミヤはイアルに勧めるのですが、アニメでは初めからお酒になってましたねぇ。ちょっと意外でした。

 それはともかく、かごの中に追い込まれたのはエリンだけでなく、イアルも、セィミヤも、シュナン&ヌガンも、キリクも、リランたちもそうだったのです。

 ダミヤが用意した「野望」という名のかごの中に・・・・・・。

 そのかごを壊すのは、果たして・・・・・・?

 【今回の『次回予告』】

 最終クールの常連となった感のあるイアルでした。

 ついでに、次回はエリンとイアルの仲が決定的になる回でもありますので、『イア×エリ』を期待してる多くの方は、大いに期待して一週間を待ちましょう。

 ちなみに、イアルはエリンにとんでもないことをさせられます(笑)。

 ではまた。

 追伸:本日、またひとつおっさんになってしまいました。とうとう40だよ、まったく。

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第44話『アクン・メ・チャイ』

 ひとつの言葉、ふたつの意図

 ラザルでのリランたちは、それでも人間ほど問題を起こすこともなく親子水入らずで日々を過ごし始めたのですが、人間のほうはそういうわけにもいかなかったのでした。

 あらすじとストーリーの流れについては各自ご覧頂くとして、今回はサブタイトルに出てくる「アクン・メ・チャイ」が鍵を持っていることが分かります。

 原作では『魔がさした子』という意味を有していて、あってはならない交わりの果てに生を受けた人間を蔑む言葉として登場しています。これは現在主役の大麻疑惑で沸騰しているハリー・ポッターの中でも魔法を使う一族が自らの純潔性に優越感を抱くことから魔法を習得した人間(こちらの本編では「マグル」と呼んでいます)を『穢れた血』と蔑称していることにも通ずるもので、要は排他的な民族に共通する「ウチとソト」が交わった際に生じる混血種を忌み嫌う観念が、リョザにもあったわけです。で、ここでは霧ノ民のカルト性がリョザの民たちから気味悪がられていたことで、そんな霧ノ民との間に生まれた子供が差別の対象になっていたのです。

 ところが、エリンはダミヤに王獣部隊の組成命令を回避すための咄嗟の思いつきで自らがアケ村で子とあるごとに言われ続けていたこの差別語を逆に利用してしまいます。

 でもってラザル保護場の責任者であるオウリとのエピソードが出てきたわけですが、案の定オウリ失敗してしまいます。

 まぁ、この一件で何とか回避できたも思えたのですが、そこは国中をつぶさに検分してきたダミヤのこと、アクン・メ・チャイでなくともエリンと同じ飼育方法をすれば王獣部隊は作れると踏んでました。

 ダミヤがここまで王獣部隊に拘るのには彼なりの持論がありました。ずっと王宮から外に出ることのない真王に代わって国中を見聞してきた彼ですから、リョザが国としての歪みの深刻さをはっきりと認識していました。これはセ・ザンとして真王の警護をしていたイアルも、またそのイアルをスカウト(?)してきたハガルも認識していたことですし、また大公やその長男のシュナンも同様に認識していたのではありました。が、それぞれの立場とものの考え方の方向性の違いが、この歪みの原因をどう見ているのかという違いにつながっていたのです。

 シュナンやイアルは、国防に身を挺している大公領民を戦を嫌う真王領民たちが嫌悪し、それが大公領民の反発を誘発している『負の連鎖』にあると見ています。これに対し、ダミヤは領地を拡大して財政的に潤ってきたことで神々の子孫たる真王と闘蛇を操る大公との力関係の崩れにあると見ていたのです。それが、王獣を自由に操ることのできるエリンの存在を知ったことで彼が思いついた大公に対する切り札としての王獣部隊だったのです。

 ただ、エリンにしてみればそんな命令は真っ平御免というところで、本当は獣の言葉と医術の知識に長けていて、過去の過ちを戒める観点から他の民族との接触を避けてきた緑ノ目ノ民(トガ・ミ・リョ)の血を受け継ぐ霧ノ民と大公領民である闘蛇衆の混血である彼女は、冒頭でも綴ったように真王領民や大公領民たちが霧ノ民へ抱いている誤解を逆手にとって王獣部隊組成が不可能であることを体を張って証明して見せたのです。

 (ただ、本当に闘蛇と王獣の性質が、包み隠されることなく正確な知識として後世に伝わっていればこんなことにはなっていなかったのではないか、と思っています。)

 そうしてラザルで一番王獣の扱いに長けているオウリの面目をぶっ潰して証明させたエリンだったのですが、ダミヤも聡い人間です。エリンと同様の飼育方法をすれば王獣部隊は可能だと踏んだものだからエリンの立場がまた苦しくなります。今度はカザルムの人々を人質に取っての脅迫までして見せるのですから、エリンにとっては耐え難いことです。

 しかし、ダミヤの次の一言でエリンの中である可能性がひらめいてしまったのです。

 「大公が王となってしまえば、王獣を使う技は封印されてしまうのだよ。」

 ダミヤは人質にとったカザルム学舎の人々やエリン自身を救うためとして、大公がこの国の王に君臨した暁には大公の象徴である闘蛇を喰らう王獣の存在が防衛上とても危険な存在となるので王獣の存在を闇に葬り去るだろうから、暗に大公がエリンを謀殺することを言いたいがためにこう言ったのです。が、このワンフレーズがエリンの頭の中でまったく別の意味を有してきたのです。

 エリンは、その一言から闘蛇乗りが王になれば王獣が戦に使われることもなくなり、過去の大罪を誘発することもなくなると考えたのです。ダミヤの口八丁からでたこの一言が、エリンにこの考えをひらめかせたのです。

 エリンのひらめきは、どこへ通ずるのでしょうか・・・・・・。

 で、久しぶりに登場したアケ村の人々ですが、やはりチョクとサジュは夫婦になってました。今回、彼らが出るのには「アクン・メ・チャイ」というキーワードが絡んでいたからだったからなんですねぇ。

 それにしても芸の細かいことといったら、参りました。

 【今回の『次回予告』】

 この後の話の展開を考えると、恐らく最初で最後のカイルの担当でした。エリンを説き伏せたと思い込んであるダミヤは、危険の芽であるイアルを潰しにかかるわけですが、2週続けてごく少数の登場人物で大きく話が動くという回になりそうです。

 ではまた。

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第43話『獣ノ医術師』

 ソヨンの腕輪、エサルの手袋。

 第7話のソヨンの指笛とエリンの叫び声で一気に書店へ駆け込み、第7版に増刷されていた闘蛇編と王獣編を何度も読み返しては涙することを繰り返した私・水無瀬ですが、そんな私が一番気にしていた回でした。

 真王セィミヤの命によってリランをラザル王獣保護場へ移すというオウリ、それに抵抗するエリン、そしてオウリ達に激しい敵意を剥き出すリラン。

 そしてオウリの従者が音無し笛を加えた刹那、遂に惨劇を招いてしまいました。

 怒りに狂ったリランは何の躊躇もなく止めに入ったエリンの左手を噛みちぎってしまい、エリンは自らの禁忌を破ったのです。

 リランに音無し笛を吹いた・・・・・・。

 目が覚めたエリンに容赦なく突き付けて来る、残された左の親指と人差し指。今回、何が泣けたかって、このあとにエサルが無くなった指をカムフラージュする手袋を手渡したシーンは原作の裏を完全に突いた、エサルのエリンに対する母としての愛情が溢れていたように感じました。
(原作じゃ音無し笛を手渡していたから、この演出の落差は大きいです。)

 でも、その後の上橋ブログによると、エサルからもらった手袋(上橋氏はミトンと表現していましたが、私としては手袋と表現するのがしっくりくるので、敢えてこう記します)を着け、その上にソヨンの形見である腕輪を通し、ソヨンが処刑される前日以来下げていた腕輪の代わりに音無し笛を首から提げるという表現にダミヤ役の石田氏が「アニメだからこそ可能な表現だ」と感銘を受けた旨の書き込みがありました。そういえば、確かにそうなんです。そうでなければ今回のサブタイトルの意図が全く見えないわけですもんね。

 そして、有無を言わさずカザルムから引き離されるエリン。これから向かうラザルで待ち受けているのはエリンを何処へ連れていくのだろうか。そしてエサルにも理由を知らされずエリンに同行するキリクはどう立ち振る舞うのか。

 それから、凸凹コンビはどこまでエリンの追っかけを続けることが出来るのだろうか?

 (それは話の本編とは全く関係ないよなぁ・・・・・・。)

 【今回の『次回予告』】
 そういった事情でラザルで拉致監禁生活を送ることになるエリンの担当でした。

 しかし、この予告画像って、あのぅ・・・・・・、ひょっとして37週間ぶりにアケ村の人々が出るってことですか?

 すっかり老けちゃったワダン、確かに大人になったチョク、そしてあれからずっと持ち続けているエリン人形を置くサジュ・・・・・・。

 いかん。これだけで既に涙腺崩壊しそう。

 ではまた。

 (なお、今回はPCが壊れたため、急遽携帯で作成しました。その後、息子のPCにて追補しています。)

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