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2009年9月

第37話『誕生』

 教えを受ける側から、授ける側へ・・・・・・。

 新米教導師・エリンの日々が始まりました。といっても、出産間近のリランの世話をしながらということもあるので、半分は学童の頃の延長線上ではあるのですが・・・・・・。

 そんなところへ入舎してきた新入学童の中に、人一倍勉強熱心な女の子がいました。名前はシロン。父親も二人の兄も揃って王都のタムユアン学舎で教導師として教壇に立っているという教導師一家の中にあって、向学心と男尊女卑の間に振り回されて心に影を落としたまま、カザルムへとやってきた模様です。しかもカザルムへの入舎を志望した動機が「誰にも負けないくらい勉強をして、誰からも認められる教導師になりたい」という、一歩間違えたら非常に危ういものだったのです。その典型的な思考パターンに、「教科書に書いてあること」が全てだという錯誤に気づいていなかったのです。

 物事を学ぶにあたっては、教室での座学も大切ですが、学問のジャンルによっては実体験を通して身体の五感を駆使することで初めて得られる知識も大切になってきます。しかし、12歳そこそこの女の子の行動範囲には自ずと限界があります。五感で体験しようとしても王都という都会暮らしではそういう機会もなかったのでしょうし、まして「女は早く結婚するのが一番の幸せ」と信じてやまない父親の許では家の中にある書物がシロンにとって唯一の『教導師』だったのでしょう。

 そんなシロンだから、エリンに対してもついつい突っかかってしまうのです。

 ですが、エリンとリランの様子を見たことでシロンの心に変化が現れます。

 「人と王獣とが分かり合えるなんて、本に書いていない・・・・・・!?」

 本に書かれていなかった現実を目の当たりにして、シロンは混乱します。当然、その思いはエリンに対して「ずるい」という、制御できない感情となってあふれるわけなのですが、丁度リランが産気づき、話は一気に転がりました。

 身を悶えさせながら出産しようとするリラン、一心不乱にリランを元気付けるエリン、その様子にシロンの心の影は消え去り、リランが新しい命を無事に産み終えるとともにシロンも新しく生まれ変わったのです。

 それにしても、シロンって何だかんだといいながら、結果的に特別課外授業を受けた格好になるんですよね。ある意味、贅沢かも。

 【今回の『次回予告』】

 久々のエサルです。が、リランが赤ちゃんを出産したという知らせが真王・ハルミヤの耳に入り、喜び極まったハルミヤがカザルムへの行幸をダミヤに手配させてしまいました。

 無論、この時点ではエリンの存在など知る由もないハルミヤ。この行幸が彼女と、リョザ神王国に嵐を呼び込むことになるとは、原作を読破した者しか知る由がなかったのです。

 来週から、話は劇的に動く(はず)ことになります。

 ではまた。

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第36話『卒舎ノ試し』

 蛍雪の友、巣立ちの時。

 学校に入学したら、一定単位の履修を終えると卒業することになります。ま、中には諸々の事情で中退するケースもありますが、一定期間、同じところで学問を学んだ者たちの間には友情や同じ時代を共に過ごした連帯感が生まれます。そしてその思いは全寮制の学校であればなおさらのものがあるわけです。

 普通の学校でもこういう感情が発生するところへ、今期のカザルム学舎の最上級生は中途編入してきたエリンという存在によってより一層連帯感が深い学年だったと感じます。

 (そりゃあ、人と触れ合うはずのない王獣とコンタクトできてしまうわ、怪我をして運び込まれた王獣と“つがい”になって交尾の様子を見せ付けられたりするわなんてことを同級生がやってのけたりした暁にゃあ、嫌でも連帯感が深くなるってもんです。)

 そんな日々も、永遠には続きません。冒頭でも綴ったように、入学した学校とは、学んだことを社会で活かすために卒業しなくてはなりません。カザルムでは、卒業してもいいかどうかの判断を見極めるために卒舎ノ試しが行われているのです。

 で、肝心のエリンはというと、トムラに言われるまで卒舎ノ試しをすっかり忘れていたっていうから、困ったものです。

 (リランが飛び、更にエクと交合飛翔したことで卒舎ノ試しのことまで頭から飛ばしてしまったのかも。)

 しかも、他の学友と違って卒舎をしても帰る家がないエリンには『主席で卒舎してそのままカザルムに残り、住み込みで教導師見習いとして生きる』という以外に選択肢がありません。

 それでもちゃんと主席で卒舎できたのですから、やはり大したものです(ただ、エサル曰く「礼儀・作法でだいぶ苦しんだよう・・・・・・」と言うあたり、長く山でジョウンと蜂飼いの生活をしていたことで社会生活上のしきたりには難儀していたようで、それを聞いてエリンにも欠点がある、すなわち人間臭さを感じた思いがしました。)

 いゃあ、それにしても凸凹コンビが一人前の雑用係になるのに4年もかかっていたことがお笑いでした。そういえば、再放送はくしくもそのコンビによる『ふたりのおつかい』だったのですが、NHKも知らん顔してなかなかの曲者だよなぁ・・・・・・。

 (その上、雑用の仕事に人生の生き甲斐を見出している明朗快活な思考回路がなんとも羨ましい・・・・・・。)

 おっとっと、忘れていた。リランの妊娠で教導師達は王宮への報告の是非にずいぶん悩んでました。そりゃあ、エクの餌代まで王宮から賜っていない上に妊娠までされた日にゃあ、ロサ師も髪の毛の残りを心配してしまうってなもんです(あ、余計なお世話でした)。しかし、王宮からは意外にも感謝の意と共に飼育費用の増額が伝えられ、全員ほっとしている様子です。けど、それじゃあ王獣規範を定めたはずの真王はこの矛盾に気づいていないのでは・・・・・・?

 そんなことを余所に、学舎からひとり、またひとりと巣立って行き、とうとうユーヤンとも別れの時が来てしまいました。ユーヤンにとっても、エリンにとっても、同じ宿舎で寝起きを共に(エリンがリランの世話で王獣舎に泊り込んでいたから、決してずーっとというわけでもないのですが・・・・・・)して、共に笑い、共に泣いたこの4年は、双方に一生の宝物として心に刻まれていくのです。

 EDは『カザルム・思い出のアルバム』ってなことで。

 【今回の『次回予告』】

 誰や?

 そう思って公式サイトへ行って漸く判りました。新登場、エリン達と入れ替わりにカザルムへ入舎した新入生で唯一の女の子、シロンでした。これまた原作にはいないアニメオリジナルキャラなんですが、初登場前に次回予告を担当するとは、エサル以来2人目だぞ。

 ひょっとして凸凹・キリクに続いてアニメ版の重要キャラに位置づけられているのだろうか・・・・・・?

 ではまた。

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第35話『あたらしい命』

 Womam meets Guy.(今回はリラン&エク)

 いや、先週はエリンとイアルの再開だったことでこんな書き出しをしたのですが、今回はリランとエクの出会いだったから、冒頭に思いついたのがこんな文句だったわけです。

 例によって特別版OPだったんですが、私自身の感想を言えば、今回の話は敢えて特別版にしなくてもよかったような気がします。

 (さすがに3度目ともなると、演出も食傷気味になるってもんで・・・・・・。)

 それはさておき、今回は王獣捕獲者のミスで負傷させてしまった雄の王獣がカザルム保護場に押し付けられ、そこにいたエリンのお陰で治療を終えることに成功したものの、野に帰すはずが雄の匂いに発情したリランが交尾しちゃったというのが、雑駁なあらすじです。

 王獣規範を厳守することを求められ、それに従って王獣の飼育に携わる者たちのすべてが知る由のない野生の王獣の生態。エサルも若かりしころに野生の王獣を探索していた時期があって、その際にたまたま出会った(エサルにしてみたら、ですが)霧の民に諫められた為に知る由のなかった、野生の王獣の在りようが、王獣規範なんてどこ吹く風のエリンによって次第に明るみになり、とうとう生き物の根幹である子孫繁殖を目の当たりにしてしまいました。

 ただまぁ、原作と違ってあんなに大勢の前で交合飛翔をするとは思いもしなかったんですが、その方が王獣のインパクトがより強く描けるのかも知れません。

 それにしても、リランとエクの交合飛翔のシーンを見て、かつてジョン・レノンがオノ・ヨーコと結婚した際にマスコミを集めて公開ベッド・インしていたことを連想してしまったのは、私だけなんでしょうねぇ・・・・・・。

 【今回の『次回予告』】

 話の流れからみて多分最後となりそうなユーヤンの当番でした。いよいよカザルムの学び舎を離れる時が迫ります。それはエリンにとって同い年の仲間と過ごした、かけがえのない時がいよいよ終わってしまう事を意味するのですが、果たしてユーヤンがエリンに言い忘れていたこととは何なのでしょうか・・・・・・?

 ではまた。

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(原作)『探求編』『完結編』ネタばれ覚悟の感想(その2)

 最古の闘蛇村にあった秘密と疑問・・・・・・

 トカラ村での『牙』の突然死の直接的原因を突き止めたエリンは、大公(アルハン)・シュナンへ護衛を買って出たヨハルに促されるまま、最古の闘蛇村・ウハンへとやってくることになりました。そこでエリンは思いがけない事実を知ることになるのです。

 ヨハルがエリンのことを紹介した際、ウハン村の頭領が思いがけない一言を発したのです。

 「さすがはトガミロですなぁ。」

 ごく一部の人にしか知らされていないはずの緑ノ目ノ民(トガ・ミ・リョ)が、ウハン村では「トガミロ」と言葉を変えて、ごく普通に過去から生き延びていたのです。

 どうしてこの言葉が普通に語られているのかを思い巡らすうち、エリンはあることに気がついてしまうのです。

 ヨハルはシュナンではなく、自身の意思でエリンをウハン村へ連れてきたのだと・・・・・・。

 そして最も根本的な疑問が浮かんできたのです。

 真王の祖先は王獣使いであって闘蛇使いではなく、闘蛇を自在に操っていたのは緑ノ目ノ民であったこと。そして初代真王・ジェと緑ノ目ノ民とはアフォン・ノアの彼方で人も獣も死に絶えるような死闘を繰り広げた仇敵同士であったこと。その流れをそのまま鵜呑みするとなれば、ヤマン・ハサルが真王から闘蛇の笛を授かって闘蛇にまたがり、大河アマスルを渡ってハジャンを打ち破るなんて話まったく成立しないことに・・・・・・。

 そう、王獣使いであった真王・ジェの血を受け継ぐ歴代の真王が、いつ、どこで、闘蛇を操れるようになったのか?

 闘蛇使いの技のすべてを禁忌として封印し、それ後世に代々伝えてきた緑ノ目ノ民が真王へ王獣の使い方、『操者ノ技』を伝授することはありえない。だとしたら、一体どうやって真王はヤマン・ハサルへ闘蛇の笛を授けるほどの闘蛇使いとなりえたのか。

 そこへ、トカラ村で出会った亡父・アッソンの妹、ツラナから手渡された母・ソヨンの燃え残った日記の断片に記された言葉が鮮烈に蘇るのです。

 ここまでの時点で、エリンの記憶力と連想力の凄さに、改めて驚くばかりです。そして、家に残してきた「夫」と「息子」とは・・・・・・。

 (その1で既にバラしていることについては、敢えて無視しておいてください)

(その3へ続く)

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コネタマアンサー

コネタマ参加中: 睡魔に襲われたとき、どうやって眠気を覚ます?

 睡魔に襲われたときは、すかさず寝る。

 ただ、それだけ。

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第34話『イアルとエリン』

 Woman meets Guy.

 ラザルから運ばれた『傷モノ』の王獣に毒が盛られ、同時に王宮ではセィミヤ付きの侍女・ナミもセィミヤに宛てて贈られた菓子の中に盛られていた毒に当たってしまいました。

 チチモドキの毒に・・・・・・。

 王獣の容態を診察したエリンはかつての幼なじみ・サジュの姉であるソジュが嫁ぐ寸前に誤まって祝い餅の中に練りこんでしまったチチモドキの記憶がありました。その経験が幸いして原因が速やかに判明し、急遽王都の薬問屋へと向かいます。

 それと時を違わずに王宮の中で発生したナミの毒当たりは、たまたま真王へ謁見していたシュナンによって原因が判明し、堅き楯(セ・ザン)のイアルが解毒薬を調達しに、王都下の薬問屋へと向かいます。

 それぞれの事情を抱いて、再びエリンとイアルは出会ってしまいました。

 一足先に到着して二人が求める解毒作用のある薬草を買収しようとしていた仮面の男、遅れて店内へ入ったイアル、咄嗟に店内で大暴れとなってしまうのですが、薬問屋の親父がなんとなく手塚アニメを連想してしまったのは私だけなんでしょうか・・・・・・。

 ともかく、エリンどばったり会ったイアルなんですが、セ・ザンの誓いに忠実である彼はエリンのことを思って赤の他人を演じます。ま、セ・ザンの使命と立場を考えたら当然なのですが、エリンが自分と同じ解毒薬を求めていることを知り、そしてその理由を聞いた彼の独断は素早いものでした。

 だって、王宮から至急の命によって薬を調達しに来たというのに、王獣にもチチモドキが盛られていたことを知るや、エリンをカザルムまで護衛すると言い出すんですから、通常では考えられません。

 でまぁ、ほぼお決まりの障害もイアルの機転で難なく乗り越え、ようやくカザルムへ到着したエリン。予定外の任務を終えてカザルムを離れようとしたイアルの目に飛び込んできたキリクの姿・・・・・・。

 結局、イアルとエリンの活躍によってナミも王獣もチチモドキの毒から逃れることができたのですが、リョザ真王国を蝕む毒は静かに、そして確実に回り出しているのです。

 この毒の出所は、血と穢れ(サイ・ガムル)なのか、それとも真王領民と大公領民との間に疼く歪んだ感情なのか・・・・・・。

 さて、原作よりも出会いが豊富なイアルとエリンですが、『探求編』『完結編』の二人の行く末を思うと見ていて切なさが一層深く胸の奥へと落ちた思いを抱いています。

 ただ、つり橋の上の二人は、いろんな意味でいい雰囲気であったことだけは確かのようです。

 【今週の『次回予告』】

 2週連続で主人公・エリンです。いよいよ、エクがカザルムへと運ばれてきます。エリンにとっても、リランにとっても、そしてリョザの政に深くかかわる全ての人々の運命を振り回すことになる雄の王獣は、どうも一筋縄ではいかない模様です。

 ではまた。

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